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碇シンジは視聴者から非難されるべき?山本弘氏の『エヴァ』評が変だ。

ライター

 1978年7月30日生まれ。男性。活字中毒。栗本薫『グイン・サーガ』全151巻完読。同人誌サークル〈アズキアライアカデミア〉の一員。月間100万ヒットを目ざし〈Something Orange〉を継続中。

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 いま、作家の山本弘さんのブログを読んでいたら、アニメ『エヴァンゲリオン』を批判している記事を見つけた。

 先日、テレビで『エヴァンゲリオン』の劇場版を放送していた。

 僕が『エヴァ』の劇場版について喋るのはたぶん、最初のことではないかと思う。これまではずっと、このアニメを避けてきたのだ。

 だって嫌いなんだよ、このアニメ。

(中略)

 もっと分からないのが視聴者の視点だ。なぜシンジに同調するの? こんなキャラクター、視聴者から非難されるべきであるのに、何故かみんなから好かれてるんだよね。僕が最も引っかかったのがそこだ。

https://hirorin0015.hatenablog.com/entry/2021/02/01/174244

 ああ、山本さんらしいな、と思う。めちゃくちゃ一面的で独善的。非常に山本さんの個性が出ている。

 『エヴァ』やシンジが嫌いなのはべつに良い。それは自由だし、山本さんのキャラクターからして、好きだったらむしろ驚く。しかし、問題なのは自分の価値観だけを振りかざして他者の価値観を非難しにかかるところである。

 「もちろん好きな人が多いのは知っている。それを否定しようというつもりはない」のは良いのだが、それに続けて「だが肯定する気も起きない」と書いてしまう。

 ぼくなどはだれかがあるアニメを好きなことはそもそも否定したり肯定したりできるようなことではなく、その人のかってとしかいいようがないと思うのだが、山本さんのなかでは違うのだろう。

 そもそもべつに「みんな」がシンジに同調しているわけではなく、シンジを嫌いな人も批判する人もいくらでもいるのだが、かれのなかではいないことになっているようだ。

 しかもここではシンジについて「視聴者から非難される「べき」」と書かれている。視聴者の意見は自分の意見と同じでなければならず、そうでないのはおかしい、ということなのだろう。

 あいかわらず、価値観の多様性も何もあったものではない書き方である。自分は正しい、故に自分と違う人間は間違えている。これくらいシンプルに割り切れると人生楽しいだろうな、と思う。

 くりかえすが、シンジを「非難」する視聴者はいくらでもいる。それはあらためて例を挙げるまでもなく、皆さんご存知のことだろう。

 そのなかにはある程度論理的なものもあれば純粋に感情的でしかないものもあるだろうが、いずれも自由な意見である。「良い/悪い」なら正否を問うこともできるだろうが、「好き/嫌い」に正しいも間違えているもない。ぼくはそう考える。

 しかし、山本さんにとって、視聴者は自分と同じくシンジを嫌いになる「べき」であって、そうでないのは「引っかか」るのだろう。

 山本さんには、自分の意見は単なる主観であり、個人の意見であるの「ではなく」、論理的に導かれた「正しい」意見であると考えるところが間違いなくある。だから、たびたび他者と衝突しているわけだ。

 もちろん、ある価値観でもって作品を評価し、違う意見のもち主と意見を戦わせることは自由だ。

 だが、この人はそもそも「自分とは違う価値観」が存在し、同じ作品であってもべつの角度から見ればべつの評価が下されるというあたりまえのことを受け入れられていないとしか思われない。

 そうでなければ、自分があるキャラクターを「非難」することはともかく、「非難されるべき」などとは書かないだろう。自分が嫌いなものはみんなも嫌いであるべき。自分が非難するものは、みんなも非難するべき。なぜならそれは論理的に導かれた「正しい」意見だから。ほんとうに本気でそう信じているとしか思えないのだ。驚くべき単純さである。

 山本さんは自分を「懐疑主義者」だという。しかし、かれが「懐疑」するのは他人の意見だけである。かれは他人を批判するときはたしかに鋭いが、他人を批判している自分に対しては徹底的に甘いのだ。

 もちろん、人間とは一般にそういうものであるだろう。ぼくにしても、自分は例外だと主張するつもりはない。だが、山本さんの場合は、あまりにも目に余るように思える。

 たとえば、この記事(https://hirorin0015.hatenablog.com/entry/2015/10/12/154536)などを読んでも思うのだが、この人、自分と意見が違う人間は自分の意見の正しさがわからないほど愚かなのだ、と考えるんですよね。自分の意見を盲信している。

 それでいて自分はきわめて懐疑的な人間なのだと信じているようなのだから何だかなあ、と。正義感がつよい人であることは疑わないけれど、自分の正義を懐疑の俎上に載せることはどうやらできないらしい。

 うーん、困ったものだ。そういえば、もうみんな忘れているだろうけれど、例の『JKハル』のシャワー問題は、マンガ版の描写を見ると、どうやらこれらの意見(https://togetter.com/li/1183792)が正しかったようですね。見るからに植物性のシャワーなのです。

 何のことをいっているのかわからない方は「異世界シャワー」で検索してください。山本さんという人がどういう問題を抱えているのか、端的にわかる件だと思います。

 現在、リアルタイムで闘病中の人を批判するのは心ない行為かもしれないが、どうしてもいっておかないと気が済まなかった。読者諸氏には赦していただきたい。

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