この記事の簡単な内容
タイトルですべてを表してしまっていますが、映画版の『夏への扉 キミのいる未来へ』はそれなりに悪くない出来でした。
まあ、往年のクラシックSFをいまさら映画化ということで時代錯誤な感じはただよっていますが、もともとのプロットの出来がかなりのものなので、よくできた映画といっても良いのではないかと。たしかに古いけれどね。
映画『夏への扉 キミのいる未来へ』。
何というかまあタイトルですべて語ってしまっている感じですが、ロバート・A・ハインラインの名作小説を日本で映画化した『夏への扉』を観て来ました。
なかなか悪くない出来ですね。そもそも原作プロットの出来が良いからそれをそのままに映像化すればそれなりのものにはなるのだけれど、そうはいっても原作は何十年も昔のアメリカの作品であるわけで、「忠実に映像化」といっても限界がある。
そこをどう処理するかが課題になるところであるわけだけれど、まあ、そこはなかなかうまく映画にしている。そう感じました。
SF者にとっては基本以前の知識だけれど一応なぞっておくと、ハインラインは20世紀後半に活躍したSFの大家で、「ハインラインネスク」と呼ばれる天才的なストーリーテリングで知られる作家。
『夏への扉』はそのハインラインの代表作のひとつで、ロマンティックな雰囲気に「猫」と「少女」の合わせ技で殊のほか日本で人気がある作品です。
だいたい日本人は世界的に見てもこの手のタイムスリップSFが好きな人たちなんですね。なぜだろう? あるいは『ドラえもん』があるからかもしれませんが、まあ、「過去へ戻れる」というノスタルジーを満たす設定がウケる国民性があるのでしょう。
『夏への扉』も『SFマガジン』のオールタイムベスト人気投票で首位を取っちゃったりしていて、日本ではやたらに評価が高い作品なのです。
さて、ここからネタバレあり。